2016年11月20日日曜日

実家に戻るメリット~親の扶養家族に入る方法

日本におけるシングルマザーの生活環境は厳しいです。2011年度の全国母子世帯等調査によると、年収200万円にも満たない母子家庭の割合は64%にも上ります。女性の就労者の半数以上は非正規雇用のため、給料が安い事が主な理由です。その上、シングルマザーは一人で子供の面倒を見なければならないため、仕事にあまり時間を使えない事も、収入が伸びない事に拍車を掛けています。

こうした状況を改善するために、健康保険の免除を申請したり、国や自治体から貰える手当てを活用したり、生活保護を受けるといった方法も考えられます。ですが最善の方法は、シングルマザーにとって最も強力な味方である自分の親から支援して貰う事であり、つまり実家に戻ることを考えるべきなのです。

実家に戻るメリットとしては、まず住居の心配が要らなくなります。毎月数万円必要だった家賃を支払わなくて済むのは、稼ぎの少ないシングルマザーにとって相当な負担軽減になります。

そして実家に戻る最大のメリットは、親の扶養家族に入れる点です。親と生計を共にすれば、(貴方が子供の頃と同じように)親の扶養家族になれるので、国民健康保険を支払う必要がなくなります。また親の方も、貴方及びあなたの子供(親から見れば孫)を家族にすれば、「扶養控除」というものが発生するので、所得税や住民税が安くなります。

つまり扶養家族になれば、貴方も親にも金銭的にメリットがある、Win-Winの関係が築けるのです。ただし扶養家族に入るためには、貴方の年収が106万円未満(健康保険の被扶養者の上限)であることが条件です。

他に、子供を親に預けられる事で、仕事に割ける時間が大幅に増えるというのもメリットです。子供を保育所などに預ける場合は、当然お金がかかりますし、時間的な制限などの問題もあります。その点、自分の親に預けた場合は時間に融通がききますし、しかも無料で済むメリットは非常に大きいです。

また、子供はまだ免疫力が低く、病気やケガは付き物です。もし急病になってしまった場合でも、すぐに両親に対応してもらえる環境にある事の安心感は大きいです。何と言っても、シングルマザーの貴方は子育ては初めてですが、貴方の両親は子育ての経験者です。ベビーシッターや下手な保育園より、子供の扱いは遙かに上手なはずです。

そして、家事全般を親に任せられるのも助かります。食事の用意、掃除、洗濯など、普段の生活では様々な家事に時間を取られてしまいますが、それらは親に支援して貰えるので、時間的な余裕が生まれます。正社員になる就活や、再婚相手を探す時間も取りやすくなるでしょう。


両親に頼ることが子供の幸せにも繋がる


このように実家で暮らす事は、シングルマザーにとって最高にメリットが多いライフスタイルです。ただし、両親と同居して親の扶養家族になる場合には、児童扶養手当が貰えなくなったり、保育園の入園で優先順位が下がってしまうなど、いくつかのデメリットも発生する点には、注意が必要です。また、いくら血縁者だからといって甘えすぎていると、人間的に緊張感が無くなり、だらだらと再就職や再婚が遅れることになりがちです。

そうならないためにも、あらかじめ育児や家事の線引き~どれぐらい助けてもらえるのかを話し合って、けじめを付けておく事も重要です。基本的に両親は孫を溺愛するものなので、貴方が素直に親に頭を下げれば、喜んで子育てを手伝ってくれるはずです。

実家に戻るメリットまとめ
  • 住居費が不要になる
  • 親の扶養家族に入る事で、健康保険の支払いが不要になり、親も扶養控除で税金が安くなる
  • 子供の面倒を見てもらえる
  • 食事や洗濯や掃除などを親に任せられる
日本では、いつまでも親の力を借りて生活していく事は問題だという風潮が強いですが、シングルマザーが一人で子育てをしていくのは相当困難な環境なのです。母親はまだ苦労を我慢できても、子供が不幸になることは避けたいですよね。子供の幸せを願うなら、せめて中学生位になるまでは、実家の親を頼って扶養家族になる方法がベストではないでしょうか。